Chrome Hearts: A Family-Run Empire

Chrome Hearts: 家族経営の帝国

創業者のリチャード・スターク氏が「高級」という表現を嫌っていることを考えると、クロムハーツを「高級」ブランドと呼ぶのは少々気まずい。スターク氏の見方では、高級とは単にファッション業界が優越性と排他性を強調するために使う言葉にすぎず、スターク氏とその家族の主な関心事である職人技と管理とは相容れない。それでも、アメリカを拠点とするブランドでアメリカン・ラグジュアリーの称号に値するものがあるとすれば、それは間違いなくクロムハーツだ。地元発祥の企業から10億ドル規模の企業まで、クロムハーツは売上と規模の両方でアメリカの高級品ビジネスに匹敵する。

LA版ラルフローレンとも言えるクロムハーツは、天使の街を体現したような存在で、きらびやかさと魅力、そしてハリウッドのロックンロールがひとつに溶け合っている。しかし、かなりの店舗数と非常に多様な顧客を抱えているにもかかわらず、メディアやファッションカレンダー、eコマースから一切目を離しているという変わった存在でもある。実店舗の小売業が苦戦している時代に、クロムハーツは、景気低迷と対面でのショッピング環境がますます厳しくなる中、今後1年間で複数の旗艦店と百貨店のショップインショップをオープンする計画で、さらに力を入れている。さらに奇妙なのは、シャネル、ディオール、エルメスといった名高いブランドがオンラインショッピングの需要に屈した時でさえ、同ブランドは実店舗のみのアプローチを貫いていることだ。しかし、業界に逆らうことはクロムハーツにとって日常茶飯事なのだ。

30年以上にわたり、このブランドは、服や店舗に飾られているフレーズを借りれば、誰に対しても「くたばれ」と言い、やりたい放題してきた。需要の高まり、終わりのないコラボレーション、ほぼ普遍的な尊敬を考えると、それがうまくいっていることは明らかだ。

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